色の三原色や補色同士を混ぜるとなぜ黒になる?

その理由はお互いの色が吸収し合い、私達の目に届かないからです。

下の図をご覧くださればその原理がお分かりいただけると思います。

下の図は皆さんも1度は見たことがあると思いますが。色の三原色である緑青(シアン)・

赤紫(マゼンタ)・黄(イエロー)の3色の絵の具を同じ割合で混ぜると黒になります。

黒になるなんて不思議ですね。その理由や原理を述べていきたいと思います。

※実際には完全な黒(無彩色)にはなりません。それは三原色が有彩色であり、絵の具の粒子

や発色の違いによるも影響があるからです。


では3色を混合すると何故黒になるのでしょう

それはお互いの色が邪魔をし合い、私達の目に届かなくさせているからです。

その話をする前に下の図解をご覧いただくとより解りやすいかと思います。

 

物がその色に見える理由と原理

太陽光線は透明ですが、これをプリズムに通すと赤・橙・黄・緑・青・紫の6色に分解

されます。それぞれの色は異なる波長や屈折率を持っているため、物体に当たると反射する

光と物体に吸収されてしまう光とがあります。例えば下図のように赤い絵の具があるとします。

絵の具は赤の光だけを反射し、その他の色を吸収するという性質を持っています。その

反射された赤い光が私達の目に届いて、「赤」として見えるのです。つまり私達は色を見て

いるではなく、反射された光を見て色彩として認識している訳です。 

3原色を混合すると黒に見える理由

では先ほどの3原色が重なる部分の黒についてご説明しましよう。下図のように

黒に見える部分は3色がお互いの色を吸収し合い、反射する光がありません。

つまりその部分に関しては私達の目に届く光が無いので暗く見える訳です。

各箇所の色を厳密に説明すると次のようになります。

〈単色部分〉

青色の絵の具は青色の光を反射して、その他の色を吸収します

赤色の絵の具は赤色の光を反射して、その他の色を吸収します

黄色の絵の具は黄色の光を反射して、その他の色を吸収します

〈2色混合部分〉

青と黄色の絵の具が重なった緑部分は、青と黄色の光をほぼ50%ずつ

反射して、その他の色を吸収します 

赤色と黄色の絵の具が重なった橙部分は、赤色と黄色の光をほぼ50%ずつ

反射して、その他の色を吸収します

青と赤色の絵の具が重なった紫部分は、青と赤の光をほぼ50%ずつ

反射して、その他の色を吸収します。

〈3色混合部分〉

3色が重なった黒色部分は、青は赤と黄を吸収し、赤は青と黄色を吸収し、

黄は青と赤を吸収します。こうしてお互いの色を吸収し合えば反射する

色がほぼ皆無になります。

 

 

補色同士を混ぜても同じように黒に

補色同士が重なっても三原色の時と同じような理由で黒っぽくなります。

〈3色混合部分〉

青の補色は橙ですが、青は橙を吸収し、橙は青を吸収しますので、

反射する色がほぼ皆無になります。

 

 

 

色の不思議・面白さ

先程「3原色を混ぜると黒になる」というお話を少ししましたが、色とは実に不思議な存在

ですね。私達が日常何気なく見ている物の色は実態は色ではなく光です。光が物に当たり反射

した光の色を私達は色彩として認識する。つまり光が無い暗闇の中では当然物の色は見えま

せんし、その形すら分りません。